Column

2025.06.26

補聴器のお話

【聞こえの不安を放置しないで】耳鼻咽喉科専門医が教える難聴のリスクと8036運動について

聞こえの衰え、ご家族のサインを見逃さない!

高齢化が進むにつれて、聞こえに問題を抱える方が増えています。特に、ご家族の難聴に気づきながらも、どう対応すれば良いか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、難聴にお悩みの方、そしてそのご家族に向けて、聞こえの重要性と改善がもたらす生活の変化について解説します。

 

難聴は他人事ではない?家族の聞こえをチェック!

「最近、テレビの音が大きい」「聞き返すことが増えた」「会話に入ってこなくなった」…。これらは、難聴の初期症状かもしれません。難聴は徐々に進行するため、本人も気づきにくい場合があります。ご家族やお孫さんは変化に気づきやすい立場です。日頃から注意深く観察し、少しでも気になることがあれば、聴力検査を受けることをお勧めします。早期発見・早期対応が、聞こえの悪化を防ぐ上で非常に重要です。

 

80歳でも聞こえやすい耳を保ちましょう「8030運動」

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が提唱する「8030運動」をご存知でしょうか?これは、「【80歳】になっても、ささやき声が聞こえる程の聴力【30dB】(または補聴器をした状態で30dBの聴力)を保とう」という啓発運動です。聞こえはコミュニケーションの基礎であり、認知機能の維持にも深く関わっています。聞こえが悪くなると、社会との繋がりが減り、孤立感や認知症のリスクを高める可能性があります。

【8030運動:https://kikoe8030.jibika.or.jp/

 

補聴器は聞こえをサポートする心強い味方

「補聴器は抵抗がある…」「年寄りくさい…」そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、最近の補聴器は小型化・高性能化が進み、目立たず快適に使用できるものが増えています。当院では聴力検査の結果に基づき、患者さん一人ひとりの聞こえの状態に合わせて調整を行うため、より自然な聞こえを取り戻すことができます。

補聴器は単に音を大きくするだけでなく、騒音を抑制する機能や特定の音域を強調する機能などが搭載されています。これにより、会話がスムーズになり、テレビや音楽をより楽しむことができるようになります。また、最新の研究では、補聴器を使用することで、脳への刺激が増え、認知機能の維持にも繋がることが期待されています。

 

補聴器で取り戻す、楽しい会話と家族の笑顔

難聴はご本人だけでなく、ご家族にも大きな影響を与えます。会話がスムーズにいかないことで、コミュニケーション不足が生じ、家族関係が悪化するケースも少なくありません。補聴器を使用することで、聞こえが改善し会話が円滑になることで、家族間のコミュニケーションが活性化し、笑顔が増えることが期待できます。ご家族以外でも様々なイベントや交流の機会がありますので、聞こえを改善して積極的に参加することで、より豊かな生活を送ることもできます。

 

まずは聴力検査から始めましょう

聞こえに不安を感じたら、まずは耳鼻科を受診し、聴力検査を受けることをお勧めします。当院の補聴器外来では、補聴器適合判定医の資格を持つ院長が、皆様の聞こえの状態を丁寧に診断します。その診断結果から補聴器が必要な場合に、より快適な生活を送ることができる、その方に合った最適な補聴器をご提案します。また国家資格者である「言語聴覚士」も常駐しており、実用化するまでの細やかなサポートを行います。

難聴は放置せずに、早めの対策を講じることが大切です。ご家族みんなで聞こえについて話し合い、豊かな生活を送るために、補聴器を検討してみてはいかがでしょうか。聞こえの改善は、ご本人だけでなく、ご家族全体の幸福度を高めることに繋がります。札幌市で聞こえにお悩みの方は、一度あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニックへご相談ください。

 

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【監修】北海道 札幌市 あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 院長 安部裕介

■資格:医学博士/日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医/日本アレルギー学会専門医/補聴器相談医/騒音性難聴担当医

■所属学会:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会/日本アレルギー学会/耳鼻咽喉科臨床学会/日本めまい平衡医学会/日本聴覚医学会

専門性の高い人工内耳や頭頸部癌の手術治療から難治性の耳鳴外来、認知症予防の見地からも再認識されている補聴器外来などの経験を積み、そこで得た知見を活かし、札幌市の皆さんに質の高い医療を提供し、安心で豊かな生活をサポートしている。

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