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【補聴器相談医が徹底解説】補聴器と集音器の違い
補聴器と集音器は、見た目では判断がつかないものが多く、「補聴器だと思っていたのに集音器だった」という方も多くいらっしゃいます。
そこで、当院の補聴器外来に来院された方からもよくご質問いただく補聴器と集音器の違いについて補聴器相談医の視点から詳しく解説します。ご自身や大切な家族の聴こえを守るために、ぜひ最後までお読みください。
- 補聴器と集音器の特徴
まず前提として、補聴器と集音器はどちらが優れているということではありません。利用する方の目的によって、どちらを選ぶかが重要になってきます。補聴器・集音器の目的は「今の聞こえにくい状況を改善する」ことです。それに合うように補聴器か集音器かを選択いただくことをおすすめします。
それぞれの特徴は次の通りです。
- 補聴器
| 概要 | 医療用品 |
| 機能 | 聴力に合わせて聞こえにくい音を大きくする |
| 調整方法 | 専門家による調整(個別調整が可能) |
| 値段 | 15~35万円程度 |
- 集音器
| 概要 | 家電製品 |
| 機能 | 全ての音を大きくする |
| 調整方法 | 自身での微調整(汎用性が高い) |
| 値段 | 5,000~30,000円程度 |
- 補聴器・集音器のメリットとデメリット
補聴器と集音器には、改善できる悩みに違いがあります。この章では補聴器・集音器のメリットとデメリットを説明いたします。内容を見比べていただき、選択の一助となれば幸いです。
- 補聴器のメリット
・雑音を抑えて、聞きたい音を強調できる
・「会話が聞き取りにくい、一部の音が聞こえない」という症状に特化している
・専門家による1人ひとりに合った微調整が可能である
- 補聴器のデメリット
・機器代金が集音器よりも高価
・慣れるまでに少し時間を要する場合がある(1~3ヶ月程で新しい聴こえに慣れていく)
・定期的なメンテナンスが必要
- 集音器のメリット
・機器代金が安価
・家電量販店やインターネット通販などで手軽に購入できる
- 集音器のデメリット
・個々の聴力に合った調整が難しい
・周囲全ての音を一律で大きくするため、雑音等必要のない音も大きく聞こえることが多い
・購入後のサポートが限られていることが多い
3.まとめ
当院は集音器の取り扱いがありません。
難聴症状は人によって、全く異なります。そこには専門家の適切な診断と聴こえに合った調整が必要であり、専門性の高い大切な作業です。
当院の補聴器外来では、補聴器相談医や言語聴覚士といった聴こえのスペシャリストが、試聴時の聴こえの状態や耳の状態を詳細に把握し、それに基づいて最適な補聴器をご提案しています。ご希望がある場合は、一度当院にご来院ください。