豆知識

声帯ポリープのお話

■声帯ポリープとは

人は声を出す際に、喉にある声帯という器官を使います。声帯は息をする時は開き、声を出す時は閉じます。

この声帯に腫瘤(ポリープ)ができることにより、声帯の振動が悪くなったり、閉じが悪くなり隙間ができてしまった結果、声がかすれてしまうのが声帯ポリープという疾患です。

 

■声帯ポリープの原因

声帯ポリープができると考えられる大きな要因としては2つあります。

それは「声の使い過ぎ」と「喫煙」です。

日常生活においてあまり大きな声を出さない方が無理して大声を出すこと、喫煙による声帯へのダメージ、また風邪を引いて喉が炎症しているにも関わらず無理して声を出すことなどによって、声帯の粘膜が充血します。

やがてそれが内出血を起こし血豆(血腫)ができ、更に声帯を酷使するとポリープになってしまいます。

両側の声帯全体がポリープ様にブヨブヨしている「ポリープ様声帯」、ペンだこのように小さなポリープが両側の声帯にできる「声帯結節」という病気もあります。

稀に喉頭癌や声帯の動きが悪くなる反回神経麻痺でも似たような声がれ(嗄声)が生じますので注意が必要です。

 

■声帯ポリープの診断、治療方法

声帯ポリープは、耳鼻咽喉科で、鼻から細い内視鏡(ファイバー)を挿入し、声帯を細かく観察することで診断します。

声帯ポリープの治療方法は、のどの安静を保ちながら、声帯の炎症を抑える保存的な方法と、手術によってポリープを摘出する方法があります。

軽症であれば、喉に負担がかからないように、なるべく発声を控え、禁煙しながら、のどの吸入を行ったり、炎症が強く痛みを伴う場合は、抗菌剤やステロイド、鎮痛剤を服用することもあります。

手術は、全身麻酔で行うことが多く、顕微鏡で拡大しながらポリープを摘出、術後は発声を一定期間禁止し、創部の安静をはかります。

 

■声帯ポリープができやすいタイプの人

声帯ポリープができやすい人は、日常生活を送る上で、声を頻繁に使用する人が当てはまります。

仕事で声を使う機会の多い職業の方(歌手、教師、僧侶など)、趣味でカラオケやスポーツ観戦などで大声を出す方は特に注意が必要です。

声帯ポリープができないようにするには、こまめな水分補給や部屋の加湿、喉に負担のかからない腹式呼吸による発声方法があげられます。

以下、声帯を痛めないために気を付けることをまとめましたのでご参考にしてください。

監修 札幌市東区 あべ耳鼻咽喉科アレルギー科クリニック 院長 安部 裕介

 

一覧に戻る